Q&A 導入編

ケニックシステムでは何をしているのですか?

1998年から一貫してLCDコントローラICの開発をし続けています。 すでに御採用の裾野は広く、多品種、小ロットで且つ長期製造がご必要な「医療機器」「船舶」「特殊計測機器」のお客様を中心に産業機器で広くご採用頂いております。
LCDコントローラICの供給だけであれば大手半導体メーカーにもできますが、 弊社では液晶関連をはじめ、その周辺も含めた広範囲なお手伝いをさせて頂いており、安心して最後まで開発を進めて頂けます。 得意なアナログ技術や電力転送技術を生かして一部OEM設計も行っています。

ケニックシステムのLCDコントローラは他社のものとどこがどう違うのですか?

① 液晶の仕様変更に応じて設計変更可能な内部構造になっています。

<メリット>
② 液晶が生産中止になっても、代替の液晶用にカスタマイズが可能です。
③ LCDコントローラICのデバイスそのものが生産中止になっても最悪基板の改版のみで、お客様の作成したソフトの変更は発生しません。
④ お客様の特注を気軽にお受けできます。専用ICやASICですとほぼ不可能です。
⑤ マニュアルはやさしく理解して頂くことに最大限努力を惜しんでいません。その意味では無駄な人件費の削減にも貢献しています。
⑥ スタータキットの存在も理解を助ける最大のツールになると思います。

<デメリット>
⑦ ロットが非常に多い場合の製品単価は専用ICやASICに比べて高いと思います。
⑧ ロジックを大きく消費するような複雑な機能(例えば画像の拡大・縮小演算やレンダリング機能など)を搭載することは出来ません。

どんな採用実績がありますか?

産業機器の広い範囲で御採用の実績があります。 機密保持の関係から詳細は述べられませんが、御採用の多い分野は医療機器メーカー様、 船舶機器メーカー様、電源機器メーカー様、大規模リチウム電池のBMS回路、放送器材メーカー様、計測機器メーカー様、 バイオ関連メーカー様、精米器メーカー様、掘削装置メーカー様、大手研究所様の新製品開発等です。

採用して効果が高かった実例などを示して下さい。

頂いたご意見などを参考に、いくつか列記してみます。

① 開発が非常に楽だった。スタータキットが役立った。
② 医療機器は長期安定供給する責任があるので安心して採用した。
③ はじめて液晶を採用するので技術的サポートが必要だった。
④ 日本メーカーのモノクロ液晶を使った製品を何十機種も横展開していたのに、その液晶が生産中止になってTFTに変わったとき、何もせずにTFTに変更できたので感謝している。ケニックシステムを使っていて本当に救われた。
⑤ キャラクタ液晶でHMIを実現していた装置をコストアップ覚悟でカラー液晶(3.5インチ)に変更して表示をしたところ売り上げが2倍になった。
⑥ 画期的な新製品を考案したが、当初販売個数が掴めないので完成品のCPUボードごと採用して初期開発コストを抑えた。
⑦ 液晶の世界を勉強したかった為、とりあえずスタータキットだけを購入した。
⑧ 画面設計も含めて外注できるところを探していたのでちょうど良かった。

このような感じですが、全体的には安心して頂く目的でのご利用が多いと感じます。

どうやって画面設計するのですか?

<マイコンバス直結型の製品:Standard LCDC>
お客様のマイコンから見ますと、ローカルバスのにフレームバッファが整然と並んでいるという構成ですので、 メモリに書き込むイメージで点が打てます。

この点を描画する関数を用いて直線やBOXを描く関数群や、漢字をそのままprintfで書き込む関数を準備したりするのですが、弊社のスタータキットには、これらの関数群をソースリストで提供しています。 もちろんライセンスフリーです。このようにして画面設計をされた場合、お絵かきソフトのような便利なツールで描画するよりも手間は掛かりますが、きめ細かい表示やデザインの自由度が大幅にアップします。そして、複雑な絵になればなるほど逆にお絵かきソフトよりも遙かに便利と感じることができるでしょう。

折れ線グラフや棒グラフ、アニメーションなどもソフト次第です。ちなみにフルカラー画像や写真画像の場合は、フルカラービットマップ画像を作成して頂いて、 それを弊社フォーマットに自動変換するツールを無償でダウンロードできます。
下記をご活用ください。
ツール・ソフトのダウンロードページへ

<マイコンバス直結型の製品:Fast LCDC>
Fastのロゴがついた製品は、上記のStandardと描画方法は全く同じです。 ただ、フラッシュROMに記憶している画像の表示や直線描画などをCPUを介在させずにLCDCのチップがダイレクトに描画する機能が備わっているので非常に高速な描画ができます。 簡易動画や超高速図形描画などに用います。 この機能を我が社では「タイニーアクセラレータ」または「プチアクセラレータ」と呼んでいます。

<シリアル接続の製品:Smart LCDC>
Smartのロゴがついた製品は、お客様のマイコンのシリアルインターフェースと接続して頂いて、命令を発することで描画を行うことができます。 シリアルインターフェース経由で描画できる端末がすでに市販されていると思いますが、それをわずかワンチップで構成しています。 マニュアルに従って、命令を発するだけで描画か可能です。 8ピンクラスの非常に小規模なマイコンでもシリアルポートさえ備わっていれば本格的な表示が可能です。ハードウエアの設計も非常に簡単ですし、お客様の量産のご相談にも応じます。

液晶ごとにLCDコントローラが変わるのですか?

基本的にはその通りです。

理由は、一つのLCDコントローラICでたくさんの液晶に対応しようとすると、非常に多くのレジスタを準備して液晶のマニュアルを読み込んで設計者が設定値を探すことになるのですが、この作業が想像以上に大変です。液晶の仕様変更のたびに忘れ去ってしまったコントローラの機能について、再度マニュアルとの格闘をしなければなりません。弊社ではピンポイントで必ず動作する液晶候補を限定して製品作成を行っています。

詳細はお問い合わせ下さい。また弊社では特注対応にも積極的に取り組んでいます。これらのことは、失敗のない開発をお約束できる、ということに繋がります。

持っている液晶を使いたいのですが可能でしょうか?

お客様がお持ちの弊社で評価の実績がない液晶で、弊社のLCDコントローラICをお使いになりたい場合は、まずは弊社にデータシートをメールで送付お願い致します。 机上での簡単な確認を行い、使用できそうかどうか判断を致します。

その後、実際にお使いになることになった場合は、量産までに「信号保証費用」をご負担頂き、有償になりますが「信号保証」の作業を弊社にて行い量産の際の仕様保証をさせて頂くことをお勧めしております。
また、問題発生時の保証はできませんが、お客様にて量産の前までに温度試験等の様々な検証を実施して頂くという選択肢もございます。

価格は?調達方法は?

基本的にすべての製品を1個から出荷いたします。量産価格につきましては弊社代理店にお問い合わせください。各コントローラICはスタータキットも充実しています。

スタータキットに搭載されている部品を一部購入できませんか?

弊社ホームページの各LCDコントローラICの「付属品・完成品ユニット」のタブに掲載している製品は、部品単体で基本的に1pcsからご購入可能です。 例えば、一番ご依頼が多いのは「33ピンのフレキシブルケーブル」です。理由は製作ロットが3,000個以上になるからです。

液晶を使う場合、何か良い額縁は有りませんか?

「3.5インチ液晶用」「4.3インチ液晶用」「5インチ液晶用」「5.7インチ液晶用」「7インチ液晶用」を準備しておりますのでご活用下さい。 また、額縁の素材は「樹脂製」と「アルミ製」の2種類ございます。

タッチパネルが無い場合は板金に穴をあけてアクリルパネル等で覆うだけで済みますが、タッチパネルがつくと板金等の角穴のエッジ処理が厄介です。そのような場合は弊社のアルミ製フロントパネルがお使い頂けます。試作数量の場合に重宝して頂いています。